【読書まとめ】プロカウンセラーの聞く技術
- 作者: 東山紘久
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2000/09/01
- メディア: 単行本
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コミュニケーションの際に、沈黙の時間を辛く感じることがよくあります。沈黙を無くすために喋り続け、ほとんど自分が喋って終わるということもしばしば。
一番失敗した経験では、ビジネス上のコミュニケーションの場で、かなり目上の相手が頻繁に黙ってしまうので、ひたすら喋り続けて情報を提供しました。振り返って見ると、相手は敢えて沈黙を作ることで、私から沢山の情報を引き出そうとしたのではないかと考えています。
同じような失敗は繰り返したくないですし、なんだったらこちらが情報を引き出す側になれればと思い、”聞く技術”を読みました。
・・・しかしこの書籍の内容が期待していたものと違っていたのであらかじめ補足しておくと、この書籍の"聞く技術"は、日常におけるコミュニケーションを円滑にするもので、ビジネスで情報を引き出すなんて方向の書籍ではありませんでした。それでも多数学びがありましたので以下にまとめてます。
学んだこととして以下4点
- 相手の考えを自然に掘り下げる
- ストレスの避雷針になる
- 沈黙の使い方
- 子供は遊ぶ+話を聞くことが必要
そもそもの前提として、人は喋ることでストレスを解消することができます。著者はプロのカウンセラーで、日頃から悩みを抱えた人たちの話を聞くことで患者の状態を改善しているそう。
1. 相手の考えを自然に掘り下げる
話手の考えを深く聞くことで、話手を理解しの悩みを解消することができます。しかし聞き手が主体に深いところを聞き出すことは相手の警戒もあるため困難であり、話手が自然と話せる場を作ることが重要。
ここで用いられる技術として相槌があります。相手の話す考えについて「否定せず」「明快に」「短く」「要点を掴み」「相手の言葉で」相槌を打つことが重要のようです。
例えば
「このごろ主人と上手くいってなくて」→「そうなの」
「なんだか様子が変なのよ」→「様子が変なのは気になるね」(おうむ返し)
相手の感情を後押しするように薄味にもみえる相槌をリズムよく撃ち続けることで、相手の感情を後押しして話しやすい状態に持っていけるみたいです。どんなに理不尽だろうが、どんなに間違っていうようが、どんなに偏った考えだとしても、否定はしない!
2. ストレスの避雷針になる
人のネガティブな話を聞き続けると、聞き手も負荷がかかりストレスが増大していきます。私も以前、身近な人が鬱になりかけた際に話を聞き続けたことがありましたが、私も徐々に気持ちが落ちていきました。後に医師にかかったところ、そういったのは一般の人がやると鬱になりやすく、辞めた方が良いそうです。鬱って大変ですね。。
では著者は仕事で悩みを聞き続けていますが、なぜ大丈夫なのかというと"避雷針になる"ことが重要だそうです。言い方はキツいですが、人の悩みを自分事として捉えず受け流すことで、ストレスも受け流すそうです。具体的な方法論としては、相手の話に関心を持たず、むしろ相手がどうしてそのように話すに至ったか、これを分析することで人に深い関心を寄せつつも他人事として悩みを理解することができるそうです。確かに、分析的に人の話を聞くことで、感情と別のところで相手を理解できそうな気がします。
あとは、話を掘り下げないことだそうです。この書籍の主題からは少しそれますが、相手の話を早めに切るような相槌「みんなそんなもんよ」をすることで、浅い範囲に話を止めてしまうそうです。
3. 沈黙の使い方
沈黙は辛いものと考えがちですが、著者のカウンセリングでは10分にもなる沈黙や間を活用しており、その沈黙の時間で互いに自分の考えをまとめ、相手を理解するそうです。沈黙は決して怖くなーい。
4. 子供は遊ぶ+話を聞くことが必要
これは本筋から少しそれますが、心理療法家が子供を治療する際には"遊戯療法"が用いられるそうです。子供はストレスを遊ぶことで解消し、大きくなると話すことで解消するようになると。普段子供がじゃれついてくる事がありますが、ストレスが溜まっている可能性もあるのだとハッとしました。
会社ではマネジメントやチームビルディングにおいて、メンバーに寄り添うために必要なスキルになりそうだなと感じました。私の場合はまだそんな立場ではないので、友人や家庭で愚痴・不満を話しかけられた時に、うまく対処するために使いたいと思います。結構「君のその愚痴は間違っている」みたいな正論吐いちゃう人間なので、、、要注意。
終わり