エンジニア生存戦略を経営学で考える - 導入編
経営学で考えるエンジニア生存戦略とは
私はMBAで経営学を学んでいるのですが、経営戦略とエンジニアの生存戦略(キャリア戦略)には多数の共通する要素があると考えています。経営学は100年以上研究されている学問ですが、一方で「自身のキャリアをどのように描けばいいのか」という疑問に対して明確な答えを提示する書籍や理論というのは存在していないと思います。そこで経営学の知見を応用する事で、エンジニアの生存戦略に経営学の裏付けを与え、より確実なキャリアを歩むことができるのではないかと考えています。
ということで、"エンジニア生存戦略を経営学で考える" 記事では以下2つを目的に、経営学と生存戦略を分析していこうかと思います。
今回の記事は導入ということで、「経営学って何?」「経営とキャリアの共通点とは?」「なんでエンジニア?」「今後の予定」について軽く言及しようと思います。
経営学って何?
経営学は、企業が業績や効率性を向上し成長・存続し続けるため、どのような取り組みが必要であるか明らかにしようとする学問です。経営学の歴史はそこそこ古く、20世紀初頭に始まり、様々な企業の成功や失敗を定性的・定量的に分析し、成功する企業に共通する考え方・取り組みが分析されています。
経営学の内容は多岐に渡り(経営戦略やマーケティング、組織マネジメント、リーダーシップ、ファイナンス etc...)また経営を考える上でのフレームワーク・ツールなども多数存在しています(PEST,SWOT,5Forces,etc ...)
経営とキャリアの共通点とは?
経営とは、企業が持つ資産(人・モノ・金)を活用して、利用者のニーズに応え、競合企業との競争の中で如何に企業を存続・成長させるかを考えるものです。
これは個人のキャリアにおいても同じで、個人が持つ資産(お金・時間・スキル)を活用して、企業・事業のニーズに応えつつ、他の人材と競争する中で、自身の価値を存続・成長させることが必要になります。
これら共通点から、経営学における”企業”を”人“に置き換えることで、100年以上続く経営学から、キャリア戦略・生存戦略についての示唆が得られると考えています。
なんでエンジニア?
特にエンジニアにこだわるつもりはなく、他の職種についても適用できる考え方なのではないかと思います。ただ私がエンジニアであり、エンジニアの経験を元に経営学と生存戦略を関連づけて整理しようと試みているので、他の職種については当てはまらないことがあるかもしれません。
今後の予定
経営学で学ぶ理論やツールが色々使えそうですが、できるだけメジャーな所から考えていこうと思います。
事業ポートフォリオの考え方をスキルポートフォリオに応用したり、会計・ファイナンスの考え方から時間・お金・スキルの安全な調達方法を分析してみたり、プロダクトライフサイクルの考え方からスキルライフサイクルを分析してみたり、色々と思いつくことはあります。
次回はまずコトラーの競争地位別戦略を取り上げてみようと思います。
(参考:https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/ka/kotlers_compe)
競争地位別戦略では、企業の業界における地位や目的を元に、企業をリーダー・チャレンジャー・フォロワー・ニッチャーに分類し、それぞれの企業に求められる戦略が定められています。
エンジニアの生存戦略においても、エンジニアが業界・社内でどのような立場にあるのか、エンジニアが何を目指しているのかによって、リーダー・チャレンジャー等に分類し、必要なキャリア戦略は何であるか分析できるのではないかと考えています。
よろしければ次回もみてください。
おわり。